子供盆おどり唄

坪松一郎作詞・山本雅之作曲

そよろそよ風 牧場に街に
吹けばちらちら 灯がともる
赤くほんのり 灯がともる 
ほら 灯がともる
シャンコ シャンコ シャンコ
シャシャンがシャン
手びょうし そろえて 
シャシャンがシャン

笛も流れる 太鼓もひびく
風が流れる 中空に
手びょうし そろえて ほらまわれ 
ほらまわれ
シャンコ シャンコ シャンコ
シャシャンがシャン
手びょうし そろえて 
シャシャンがシャン

そろたそろたよ どの子もそろた
そろてうたえば 月が出る
海の上から 月が出る 
ほら月が出る
シャンコ シャンコ シャンコ
シャシャンがシャン
手びょうし そろえて
シャシャンがシャン


「子供盆おどり唄」は戦後道教委が中心となって子供向けのいい盆踊りの曲はないかということで企画され作られたものです。それ以前は子供たちも大人に混じって踊っていたようですが、あまり芳しくない踊りをしているなどの批判があったかららしいのです。
「子供盆おどり唄」が出来たのは昭和27年で、坪松一郎作詞、山本雅之作曲 、睦哲也の振り付けで世に送り出されました。それ以後は北海道における代表的な子供用の盆踊り用の曲になったのです。また、いまでは北海道の代表的な児童文化財の一つにもなっています。
「子供盆おどり唄」(JASRAC登録上は「子供盆踊り歌」)は童謡詩人の坪松一郎(昭和44年没)の作詞、童謡作曲家の山本雅之の作曲、歌は童謡歌手の持田ヨシ子とキング児童合唱団です。坪松一郎氏は江別で校長をやっていたときに作詞しています。山本雅之氏はいまだ健在です。
作詞の坪松一郎は江別で育っていて、野幌グリーンモールに「子供盆おどり唄」の詩碑が建立されています。(江別ブランド事典
この曲は「シャンコ、シャンコ・・・」という奇抜な歌詞が注目されがちで、歌っている歌手については関心が持たれることはあまりないようです。あるサイトでは、歌い手の持田ヨシ子さんは、自分の高い声が嫌いで、レコードを自分では聞かなかったとあります。現在は九州にいるそうですが、消息は不明だそうです。いまもって北海道で昔と変わらない姿でこの歌が愛されているいことを持田さんはご存知なのでしょうか?
このレコードは一度廃盤になるも、昭和38年7月にキングレコードは販売店からの願いにより再発売し、そして昭和48年にはとうとう全国発売されたのです。最近では2002年にキングレコードからシングルカセットが発売されたのが最後です。
「子供盆おどり唄」は‘北海道教育委委員会選定’とはなっているが、正式な形で選定されたという記録は残ってはいないようである。それはともかく、子供向けにありがちな教訓めいたり、教育がましいところがないのがいい。とにかく陽性で、とても楽しい歌詞で印象的なメロディが素晴らしいのである。
最後にお囃子の‘シャンコシャンコ’について触れてみます。
昔の北海道ではよく雪道を馬がそりを引いて走る光景が見られました。昭和20年代まで馬そりは北海道の重要な交通機関として活躍していました。坪松一郎氏がこの曲の作詞をした頃もまだそうであったに違いありません。このお囃子の‘シャンコシャンコ’は馬の首鈴の音をイメージしたものです。こう考えてみるとこの歌は北海道の歌であるこに納得させられます。


坪松一朗


持田ヨシ子




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