「子供盆おどり唄」の七不思議

北海道では広く知られている割には謎というか不思議が多い曲のように思えます。
それら思いつくもの7つほど出してみました。

不思議1.曲名を知らない人が多い

北海道では誰でも知っている曲でありながら、正しい曲名を知らない人が多い。実際私も長い間お囃子部分が印象的なので‘ちゃんこちゃんこの歌’と記憶していました。似たような記憶の仕方をしている人は少なくないのでは?
その要因としては、盆おどり会場で曲名を紹介しないこともあると思う。子供盆踊りというイベント名は紹介するので、曲名まで‘子供盆踊り’と記憶している人もいると思います。

不思議2.北海道限定であることを知らない人が多い

「子供盆おどり唄」は北海道教育委員会の依頼で制作されたものではあるが、元来北海道だけで使われることを目的としたものではなかったが、結果的に北海道にしか普及しなかったので、実質的に北海道限定のものと考えていいであろう。
北海道では大人向けの「北海盆唄」とともに広く普及したので、北海道の人にとっては、それが北海道限定であることを意識している人は少ない。北海道から本州で出てきたり、あるいはネット上でそれを知って愕然とするのである。実際私の場合の関東地方に出てきた最初の夏にこの曲が聞こえてこなかったことにカルチャーショックを受けたのである。
でもこんないい曲が北海道限定のようになっているのは実にもったいないなと思わざるを得ません。

不思議3.2バージョンあることを知らない人が多い

主流になっているのは、1952年(昭和25年)初版発行の持田ヨシ子のものです。3番までの歌詞があり、お囃子の部分は‘シャンコ シャンコ シャンコ てびょうしそろえて シャシャンがシャン’です。
もう一つの版は、1995年(平成7年)発行のタンポポ児童合唱団のものです。歌詞は7番まで増やされ、お囃子の部分は‘チャンコ チャンコ チャンコ てびょうしそろえて チャチャンがチャン’です。この版は2001で廃盤になり、持田ヨシ子版が2002年から復活したので、2つの版の存在を意識している人はあまり多くないなと思われる。
なお、最近になって江別市民まつりの野幌旭公園会場で行なわれている子供盆踊りで第3版ともいうべき別な版が見つかっています。和楽器を中心に演奏された独自のもののようです。

不思議4.‘シャンコ シャンコ’を‘チャンコ チャンコ’と記憶している人が多い

たいての人は‘チャンコ チャンコ’と記憶していると思います。初版の持田ヨシコ版は正確には‘シャンコ シャンコ’ですが、聴感的には‘チャンコ チャンコ’と聞こえます。
一説にはタンポポ児童合唱団版が‘チャンコ チャンコ’に変えたからだともいいますが、それは間違いだと思います。実際私も長い間、タンポポ児童合唱団版の存在を知らなかったが、ずっと‘ちゃんこちゃんこの歌’と記憶していたというのも、持田ヨシコ版が‘チャンコ チャンコ’と聞こえたからである。どちらかというと、タンポポ児童合唱団版はそう聞こえるという現実に合わせ‘チャンコ チャンコ’に変えたのではないかと推測しています。

不思議5.1曲のみが延々と繰り返される

道南地方を除いて、道内の多くの会場で大人の部の「北海盆唄」ともども「子供盆おどり唄」が用いられる。しかも、「北海盆唄」ともども「子供盆おどり唄」の場合も延々と一曲のみが繰り返し演奏され、踊られる会場が多いように思われます。それゆえ北海道では誰もがこの2曲を知ることになるのである。
私は関東地方しか知らないが、おそらく北海道以外の地域の多くは、盆踊り会場では多くの曲が使われているのが普通かと思います。

不思議6.歌っている歌手について誰も知らない

「子供盆おどり唄」は誰もが知っているにもかかわらず、歌っている歌手名についても誰も知らない。歌であれば、まず歌っている歌手が注目されるのが普通であるが、ほとんどの人はそれに関心を示さない。
この曲は‘チャンコ チャンコ’と聞こえるお囃子が印象的だから、歌詞のほうばかりが注目されるからだろうか?

不思議7.「子供盆踊り歌」か「子供盆おどり唄」か?

この曲をネットで検索すると、「子供盆踊り歌」のほうが多くヒットしますが、このサイトでは「子供盆おどり唄」としています。それというのも現在流通しているカセットテープは持田ヨシ子版で、商品は「子供盆おどり唄」となっています。そのため「子供盆踊り歌」で探しても商品は見つからないからです。タンポポ児童合唱団は「子供盆踊り歌」となっていたようだが、すでに商品は市場にはありません。でも持田ヨシ子版もJASRAC登録上は「子供盆踊り歌」となっています。だからどちらも間違いとはいえない。
個人的には「子供盆踊り歌」は登録名、「子供盆おどり唄」は商品名と解釈しています。持田ヨシ子版も現行品は「子供盆おどり唄」で初版と同じですが、その後「子供盆おどり歌」となっていた時期が長くありました。








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